不妊治療とは?不妊症を治療する前に知っておきたいこと
目次
不妊治療とはカップルに子供ができるようにサポートすること
不妊治療とは何らかの原因で「不妊症」と診断されたカップルへ、子どもができるように妊娠のサポートをすることです。体質改善指導で解決することもあれば、人工授精などの高度生殖医療技術を利用する場合もあります。
不妊治療をはじめてもう5年。「最初から知っておけば…」と後悔したこと、たくさんあります。不妊治療を考えているべビ待ちママ・パパへ、治療をする前に知っておいてほしいこと・知っておくべきことを私の体験をもとにまとめました。
不妊治療をする前に知っておきたい3つのこと
まずは治療を始める前に知っておきたいことを見ていきます。
1.不妊症=病気ではない?不妊症の正しい定義
不妊症とは、避妊せずに性交しているにも関わらず、1年以上経過しても妊娠しない状態のこと。この状態に当てはまれば、不妊症と定義されます。
日本産婦人科学会でも、下記のように明記していますね。
「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。
※参照元:日本産科婦人科学会公式HP(http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/funin.html)
不妊症は、子宮の病気による不妊症もあれば、体の栄養が足りてなくて不妊症になることもあります。他にも様々な病気や、体の不調が不妊症を引き起こす可能性があるのです。なので、「不妊症=病気」と考えるのではなく「不妊症の原因=病気・問題」と考えると分かりやすいでしょう。
私は結婚して2年も経っているから、やっぱり不妊症なのかなぁ。でもどうして不妊症になっちゃったんだろう。特にどこも悪いわけじゃないのに…
一口に「不妊症」と言っても「妊娠できない」という状態が共通するだけで、抱えている問題(原因)は人によってバラバラなのよ。
2.不妊症は大きく2種類に分けられる
不妊症は「器質性不妊」「機能性不妊」に分けられます。
何らかの原因により、性交渉を行っても妊娠できない状態
器質性不妊
一般的な不妊検査を行い不妊症の原因が明確になった場合の不妊
- 卵管通過障害
- 排卵障害
- 子宮内腔異常 etc…
機能性不妊
不妊検査をしたが病気や原因が見つからなかった場合の不妊
- 卵子の質の低下
- 冷え性
- 不規則な生活リズム etc…
検査を行った結果「あなたは○○という病気ですね。○○には、子供ができにくいという症状があるので不妊症になっているのでしょう」というように、病気が明確になった場合は器質性不妊と振り分けられます。
つまり、器質性不妊の場合、原因の病気を治療することが不妊治療にもなるということ。そういう意味では治療の方針も立てやすいですし、問題が分かっている分、気持ち的に楽と言う人も多いようです。(治療は大変ですが…)
そして多くの不妊症患者の頭を悩ませるのが機能性不妊。「あなたは不妊症と定義できますが、不妊症を引き起こしている病気や原因が分かりません」というように、基本的な不妊の検査で原因が特定できなかった場合、機能性不妊に振り分けられます。
不妊症に悩むママのうち、機能性不妊のママは4割にも及ぶそうです。
原因が特定できないって、もしかして不妊症の裏にもっと怖い病気が隠れているとか…?
その可能性が無いとは言い切れないけど。でもよくあるのは、冷え性や不規則な生活リズム、栄養不足、そういうママになるための準備が整っていなくて不妊症になるケースが多いみたい。
3.後悔しない機能性不妊のススメ方
器質性不妊であれば、原因の病気が分かる分、治療の流れや進め方をお医者様に委任しやすいですよね。しかし機能性不妊の場合、クリニックごとに治療方針や考え方が異なるケースが多く、またママやパパの生活状況や気持ちによっても治療方針は変わってきます。
また、排卵誘発剤や人工授精を何度繰り返しても成功しなかったママもいます。これが機能性不妊の大変なところ。機能性不妊は原因の特定が難しいため、これから行う治療方法が自分の体に効果的なのかどうか、またどのくらいの期間行えばよいのか不鮮明なまま進めていく場合が多いのです。そのため、長期戦になればなるほど、金銭的にも精神的にも負担が大きくなってしまいます。
だからこそ、自分たちの気持ちと照らし合わせながら、計画的な治療方針をたてることがとても大事。とは言っても、最初からどんな方針が合っているかなんて分かりませんよね。ここでは例として、私が先生に教えて頂いた身体と金銭に負担が少ないステップアップ方式をお教えします。
急がばまわれ!ステップアップ方式とは?
ステップアップ方式とは、簡単な治療からはじめ、効果が無ければ徐々に高度(高額)な治療へレベルアップしていく治療方針のこと。(正式名称かは分かりませんが…)具体的な流れを見ていきましょう。
その1。まずは体質改善やタイミング法など体に負担のない妊活からはじめます。
その2。体質改善を行っても妊娠できない場合は、排卵誘発剤を使ってみます。この治療は体への負担が大きく出る方が多いので、無理はしないようにしましょうね。
その3。それでも妊娠できない場合は、人工授精や体外受精などの高度生殖医療による治療も検討していきます。これらは一度の治療費が高額なので、上記の二工程を踏んでも駄目だったならという位置づけで考えます。
以上の流れが私が教えてもらったステップアップ方式です。原因が分からない機能性不妊は、このように1つ1つ可能性をつぶしていくしかありません。それなら、できるだけ負担の軽いものから取り組んでいった方が負担が少ないというのがこの方式の考え方。
また、何事も基礎がなっていなければ応用が難しいように、不妊治療も最初のステップである基本的な母体づくりができていなければ、お金をかけた治療をしても成功率は下がってしまいます。これからママになる大事な身体だからこそ、まずは自分の体を見つめ直してあげてくださいね。
最初の一歩、体質改善が大事な理由
機能性不妊の場合、大掛かりな施術をせずに不妊症を改善できるママも多いです。妊娠できたきっかけが「生活リズムを正しただけ」「冷え性を改善しただけ」というのはよくある話。そのくらい母体の健康が重要になると言うことです。一見健康そうに見えても、女性の体はとっても繊細なんですよ。
まずは生活リズムを整えたり、食生活の見直しをしたりしてみましょう。また漢方で体質改善をはかるママも多いです。
母体だけじゃない、赤ちゃんの知能にも影響する栄養療法とは?
漢方の他にも効果的な体質改善治療として近年話題になっているのが、栄養療法。先ほども言った通り、女性の体は一見健康体に見えても、実は足りていない栄養がいっぱいです。栄養療法とは、妊娠するために必要な栄養が足りているか検査を行い、不足しているものをサプリ等で補う治療のこと。副作用がないので不妊治療が初めてのママにもってこいの治療法です。また、卵子の質改善もできるので、高度生殖医療の成功率を高めるために、併せて治療するママも多いようです。
この栄養療法、不妊症ではないママからも注目を浴びています。実は適切に栄養を補うことは母体だけでなく、赤ちゃんの身体・知能発達にも関わるのです。
妊娠中の適切な栄養補給が、赤ちゃんの身体的および知能の発達にも、していない場合に比べて差がつくことが分かっています。胎児の脳の発達にはビタミンB群が深く関与しており、妊娠中に主にビタミンB群を補った母親のグループと補わなかった普通のグループで、生まれた赤ちゃんのIQを比較すると、4歳の時点で、補った方のグループの赤ちゃんの方が平均してIQが8.1高かった、と言うデータがあります。母親がビタミンB群を十分摂取することで、胎児の脳の発達に差が出ることを示しています。
※引用元:クリニック・ハイジーア公式HP(http://www.clinic-hygeia.jp/sterility/#k14)
不妊治療のイメージは湧いたかしら?元気でかわいい赤ちゃんを産むためにも、一緒に頑張りましょうね。
とっても勉強になったわ。自分が器質性不妊か機能性不妊か調べるためにも、まずは病院で検査よね。早速婦人科に行ってくる!