Q6. 太っていると妊娠しにくいというのはホント?

Q.身長156cmで体重65kgの太めです。知人から「太っていると妊娠しにくい」と聞きましたが、本当にそうなのでしょうか?

「結婚以来どんどん体重が増えて、今や10kgも太ってしまいました。現在は身長156cmで体重65kgです。知人から「太ってると妊娠しにくいらしいよ」と言われたのですが、それは本当でしょうか? 妊娠を望むならば、ダイエットしたほうが良いということなのでしょうか?」

A.「太っていると妊娠しにくい」というのは、事実です。

肥満は妊娠率を低下させる要因です肥満が妊娠率を低下させる要因となることは、医学会でも確認されている事実です。

肥満女性の体内では、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌量が過多になるため、「無排卵」といって卵巣から排卵を抑えてしまう状態になりやすく、妊娠しにくくなります。また、「多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)」という⼩さな卵胞が卵巣内にとどまってしまう病気は、肥満との関連性が高い病気です。

肥満および糖尿病の疾患がある場合、インスリン抵抗性(インスリンの作用が効きにくい状態)が不妊の原因になるといわれています。インスリンは排卵を促す際ににとても重要なホルモンであることがわかっているため、インスリン抵抗性は排卵障害を引き起こす要因のひとつになっていると考えられているからです。

参照元:大川産婦人科・高砂公式サイト「多嚢胞性卵巣症候群(PCOs)」(http://okawa.xrea.jp/Okawa%20ART/ART%20HP/ART%20kensa/Hormone/PCOs.html

太りすぎだけでなく瘦せすぎでも妊娠しづらい

夫婦の体重に注目したビッグデータに基づいて発表された論文によれば、太りすぎの人だけでなく、痩せすぎている場合でも妊娠率が下がってしまうことがわかったといいます。

このデータは合計3,825,727組の中国人カップルを1年間追跡し、妊娠前の体格指数(BMI)と妊娠までの時間(TTP)を探る目的で実施されたコホート研究(病気の発症要因や予防因子を推定する目的で大勢の人を長期間観察する研究手法)によって得られたものです。

調査の結果わかったことは、低体重および過体重(肥満)の双方で、妊娠までの時間の延長と関連性が認められた点です。もっとも妊娠率が低かったのは肥満の女性と太りすぎの男性のカップルだったそうですが、痩せすぎても妊娠しない、ということは頭に置いておく必要があります。

参照元:亀田IVFクリニック幕張公式サイトブログ「夫婦の体重(BMI)は妊娠しやすさ(不妊)に影響する?(論文紹介)」(https://medical.kameda.com/ivf/blog/post_212.html)

適正なBMI値を意識した体重管理が重要

太っていると妊娠しづらいと聞いてダイエットしなくてはと思ったかたもいると思いますが、適正なBMI値を逸脱した減量はしないほうがいい、ということになります。

「体重÷(身長×身長)=肥満指数」という公式に当てはめてご自身の適正体重を計算をし、肥満指数として規定される25以上にならないよう食事管理や運動による健康維持などを心がける。当たり前すぎることではありますが、これにつきます。

そして絶食など過激なダイエットで痩せすぎることがないようにしてください。