Q2. 高温期がわからず排卵日が予想できない。不妊症なのか?
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Q.基礎体温をつけても高温期がいつなのかわからないので、排卵日の予想ができません。不妊症なのでしょうか?
「妊娠を希望して基礎体温表を毎日つけているのですが、高温期がはっきりとわかりません。
数日ほど高温が続いたかと思うと、すぐに体温が下がったりします。そのため排卵日の予想ができない状況です。高温期と低温期がわかりにくいということは、妊娠しにくい体ということなのでしょうか?」
A.基礎体温だけで正確な排卵日は予測できないので、心配しすぎる必要はありません。
「低体温最終日=排卵日」とは限らない
一般に「低体温最終日=排卵日」という認識を持たれているかたが多いと思いますが、じつはそうではありません。排卵したあとに分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響で少し体温が上がることから、低温期(低温相)から高温期(高温相)への移行が認められるタイミングを排卵日の目安にしているにすぎません。
排卵日の3日前から排卵日翌日までの5日間が妊娠しやすい時期とされていますので、排卵日の予測はとても大切ですが、最近では基礎体温のデータによる排卵日の予測だけでなく、排卵日予測検査薬や卵胞モニタリングといった方法で排卵日を予測するようになっています。
また低温期と高温期の差は0.3℃以上を目安としていますが、基礎体温には個人差もあり、月経周期以外の要素の影響を受けて高温期と低温期がきれいな二相にならないこともあります。
基礎体温は最低3か月程度継続して計測してみることが大事なのですが、毎月基礎体温を計測しても高温期と低温期がはっきりしない場合は無排卵の可能性もありますので、不妊治療の専門医に相談してみることをおすすめします。
https://jp.rohto.com/dotest/guide/ninkatsu/page02/
基礎体温のデータに問題があると感じたらすぐ相談を
たとえば、基礎体温を数か月計測して以下のような傾向が認められた場合は、すぐに不妊外来などのあるクリニックに相談してください。
- 高温期と低温期がはっきり分かれておらず、高温期が確認できない。低温期が続く⇒「無排卵月経」の可能性がある
- 高温期が9日以内など、一般と比べて期間が短い⇒「黄体機能不全」の可能性がある
- 高温期が16日以上続いている⇒妊娠している可能性がある
朝起きてすぐに安静にしたままの状態で基礎体温を測るといった基本的なルールを守りながら、ご自身のひと月の体のリズムや周期を把握することが大事ですが、基礎体温だけに一喜一憂するのは精神的に健全ではありません。
少しでも疑問点や不安なことがあったら、不妊治療の専門医など知見のある専門家に相談してから悩むべきか悩む必要がないかを判断しましょう。
参照元:公益社団法人 日本産婦人科医会公式サイト「栗林先生・杉山先生の開業医のための不妊ワンポイントレッスン 4.排卵の予測」
https://www.jaog.or.jp/lecture/4-%e6%8e%92%e5%8d%b5%e3%81%ae%e4%ba%88%e6%b8%ac/