どうして妊娠ができないの?不妊の原因

不妊の原因はひとつではない

国立社会保障・人口問題研究所の調査では、夫婦の35%は「なかなか子どもができず、不妊の心配をしたことがある」というデータからもわかるように、不妊はごくごく身近な問題です。子どもが欲しいのに、なかなか授からない…とお悩みのかたが知りたいのはやはり、妊娠しない原因や理由がどこにあるのかということ。

このページでは、妊娠のメカニズムと不妊の要因と考えられている状態について説明していきます。

※参照元:PRTIMES vivola株式会社プレスリリース「女性医療×AIのvivola(ビボラ)、帝人株式会社と共同で、3/8㈬の国際女性デーから1週間、妊活・不妊治療中のカップルのパートナーシップに関する動画を毎日配信!」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000058605.html

なにを基準に「不妊症」と診断されるのか

通常、生殖機能に問題のないカップルが妊娠を希望する場合、3か月以内に50%、6か月以内に70%、1年以内に80%以上、2年でおよそ90%が妊娠するとされています。

公益社団法人日本産婦人科医会では、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しない状況を「不妊」ととらえると説明していますが、一定期間に関しては1年というものが一般的であるとしています。ただ、場合によっては2年程度経過を見てから判断される場合もあります。

女性の年齢が上がれば上がるほど妊娠の可能性が下がっていくため、20代などまだ若いうちから不妊治療を受ける夫婦も増えてきています。

参照元:公益社団法人日本産婦人科医会公式サイト「不妊とは」

https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=15

男女別不妊の原因にはどのようなものがある?

女性不妊の原因

女性不妊の場合、検査で原因が明らかに分かる「(器質性)不妊」と、原因が分からない「機能性不妊」の2つに分けられます。

原因が明らかな女性不妊は、1)排卵に問題がある「排卵因子」、2)卵管に問題がある「卵管因子」、3)子宮内膜症など子宮に問題がある「子宮因子」、4)子宮頸管に問題がある「子宮頸管因子」の主に4つに分けられます。このほかに着床障害や免疫因子なども原因となります。

もっとも多いのは原因不明(=機能性不妊)の不妊であり、次いで卵管因子、排卵因子の順です。原因がわからない「機能性不妊」のなかでも多いとされているのが、加齢による卵子の質の低下が不妊の要因になっていると推測されるケースです。

参照元:公益社団法人 日本婦人科医会公式サイト「5.不妊の原因と検査」
https://www.jaog.or.jp/lecture/5-%e4%b8%8d%e5%a6%8a%e3%81%ae%e5%8e%9f%e5%9b%a0%e3%81%a8%e6%a4%9c%e6%9f%bb/

上記グラフは、2003年に日本受精着床学会が行なった不妊治療患者によるアンケート調査なのでデータは古いですが、男性因子33%、卵巣因子21%、卵管因子20%、子宮因子18%、免疫因子5%、その他4%でした。

男性不妊の原因

思っていた以上に男性由来の原因があることに驚かれるかもしれませんが、男性不妊の原因として挙げられるは、造精機能障害や勃起障害、前立腺炎・精巣上体炎など精路の炎症によるもの、パイプカットや鼠径ヘルニア手術などにより精管が閉塞している通過障害などがあります。
男性不妊の原因のうち、約90%が精子をつくる働きに問題がある「造精機能障害」です。この造精機能障害の7割は原因不明であるといわれており、精索静脈瘤や染色体異常などが原因と考えられています。

女性不妊同様、男性不妊の場合も機能性不妊がその多くを占めています。

参照元:慶応義塾大学院 医療・健康情報サイトKOMPAS「男性不妊」

https://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000251.html

不妊の原因の約半分は、男性にある

以前は不妊の原因はほぼ女性にあると考えられていましたが、最近では不妊の原因の半分は男性側にもあることが指摘されています。
世界保健機関(WHO)がまとめた調査では、女性のみに原因がある場合は41%、男性のみは24%、男女両方に原因がある場合も24%となり、不妊夫婦の半数近くは男性にも原因があることが分かります。

世界保健機関(WHO)が行なった不妊の原因調査によれば、

  • 女性のみに原因ある41%
  • 男性のみに原因がある24%
  • 男女ともに原因がある24%
  • 原因不明が11%

とされており、不妊の約半分は男性側に原因があることになります。このことはあまり広く知られているとはいえませんが、最近は男性不妊外来を標榜するクリニックも増えてきているようです。

参照元:がんサポート公式サイト「男性不妊研究の最前線 ヒトの精子形成応用に期待 精子形成不全マウスの精巣組織から、培養下で精子を産生」

https://gansupport.jp/article/cancer/testicle/12732.html