Q3. AMH値が低いとダウン症の確率が上がってしまう?
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Q.AMHの数値が低いとダウン症の確率も高くなるのでしょうか? リスクを回避する方法があれば知りたいです。
「現在41歳なので妊娠するには高齢と言われており、しかもAMH検査で数値が「1以下」で数値が低いと診断されました。AMHが低いと妊娠しにくいとか、卵子の質が低いとダウン症の子どもが生まれる確率が上がってしまう、といった情報も目にしました。
AMHの数値が低い人は、卵子の質も低いのですか?卵子の質とダウン症に関係性があるのであれば、卵子の質を上げればダウン症のリスクを回避することができるのでしょうか。」
A.ダウン症とAMHの数値に関連性はなく、そのリスクは女性の年齢と相関関係があります。
AMHでわかるのは卵子の質ではなく、卵子の数
AMH検査(卵巣予備能検査)で卵巣機能の低下を指摘されたとしても、そのことでダウン症(21トリソミー)などの胎児異常のリスクが高まることはありません。AMH検査でわかるのは、残されている卵子の数を推測して数値化したもの。卵子の質とは関係ないため注意が必要です。
血液中のAMH(抗ミュラー管ホルモン)の値を調べ、体内にどれぐらいの数の卵子が残っているかを推測することができます。「抗ミュラー管ホルモン(AMH)」参考基準値と照らし合わせてみると、41歳の卵巣年齢によるAMHの基準値は「1.30ng/ml(基準値範囲:0.06~5.52ng/ml)」なので、投稿者のかたは平均を下回るということは言えそうです。卵子の数が少なければそれだけ妊娠するチャンスが減るということです。
https://gracebank.jp/about_amh/
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa24.html
35歳以上になるとダウン症など胎児異常のリスクが高まる
ダウン症のリスクは女性の年齢が上がるとともに高まることがわかっています。これまで発表されてきた調査などによれば、父親の年齢はほとんど関係していないこともわかっています。個人差はありますが、母体年齢が30歳の場合のダウン症の確率は「940分の1」ですが、41歳になるとその確率が「70分の1」と約13倍に跳ね上がります。
年齢とともに卵子の質が下がり、胎児への影響だけでなく、流産のリスクを高めることが明らかになっています。個人差があるので断定することはできませんが、不妊治療の担当医はさまざまな検査でわかる数値をもとに「一般的にはこのようなリスクが考えられます」という説明をしてくれるはずです。
https://www.flsc.jp/contents/category/faq/
卵子の質も上げる決定的な方法はないが…
高齢出産による卵子の質の低下は避けられないものの、生活習慣を見直すことによって改善されることもあるようです。たとえば喫煙や飲酒などを控えることや、ストレスのない生活を送ること。十分な睡眠をとり、血行を良くするような生活習慣を取り入れることなどが挙げられます。適度な運動や入浴等を通じて体を温め、血流を良くするように心がけましょう。
また睡眠ホルモンと言われるメラトニンが卵子の質を上げるとも言われています。毎日、規則正しい生活をし、かつ十分な睡眠を取るようにしましょう。逆に喫煙、肥満、痩せすぎ、高血圧は卵子の質を低下させると言われているので要注意。詰まるところ、日常生活の質を上げることが卵子の質を上げることにつながる、ということなのです。クリニックによっては漢方を処方してくれるところもあるようです。
https://sancha-art.com/column/egg-quality#section10